どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

映画のことなど

「PERFECT DAYS」と「An Autumn Afternoon」

「PERFECT DAYS」主人公の名前、「平山」。 小津安二郎「東京物語」へのオマージュらしいが、小生は、遺作「秋刀魚の味」の「平山」である気がする。どっちも「平山」だけどね。「秋刀魚の味」のエンディングは、物悲しい。一人娘の婚礼を終えた夜、ひどく酔…

真実は、映画よりも奇なり ~あな、恐ロシア 合掌

あんなトイレで小便したい ~映画「PERFECT DAYS」

「THE TOKYO TOILET」(TTT)プロジェクト役所広司は、好き。ヴィム・ヴェンダースも好き。小津安二郎は、もっと好き。しかし、この映画は、トイレありきの映画。映画鑑賞後、まず思い浮かべたのは、あんなお洒落なトイレで小便したい。役所広司、ヴィム・ヴ…

「ディア・ハンター」と「追憶」 ~大石 静の観るべき映画

大石 静女史に、何故にここまで心惹かれるのか、不思議だった。過日、YouTube「ホイチョイ的映画生活」の大石女史の出演回を視聴して合点がいった。二作の大石静的観る映画☞①ディア・ハンター ②追憶俺的ベスト1は、「ディア・ハンター」。「追憶」は、18位く…

66年間生きて来て、初めて新聞見開き全面の「映画」の広告を見た。(たぶん)

中日新聞 12.23

「ふぞろいの林檎たち」逝く ~山田太一先輩89歳

昭和ど真ん中世代の俺のベスト山田太一は、 「ふぞろいの林檎たち」。「それぞれの秋」「男たちの旅路」「岸辺のアルバム」等々、名作あれど、サザンオールスターズ世代は、「いとしのエリー」に弱い。中井貴一、時任三郎、柳沢慎吾の3人の主人公も、自分の…

本日(12月1日)は、映画の日

北野映画「首」の大ヒットは、大河「どうする家康」効果?

6年ぶり、19作目の北野監督作品「首」。大ヒット上映中らしい。予告編を見ただけで、なんだかゾクゾクゾクゾク。なんだ、この期待感! 久しぶりの感覚! 摩訶不思議?ああ、「どうする家康」のせいか!俺的分析 ① 「本能寺の変」 ② キャスティングの2点①本能…

岸田首相と同じ卒業アルバムから ~1982年

生誕120年 没後60年 ~小津安二郎

白いシャツが、オシャレ今年は、小津安二郎の「生誕120年 没後60年」 なんだか生誕も逝去も、小津らしくキッチリした数字。120年と60年、計算しやすい。40年後は没後100年と、計算に弱い俺でも、計算できる。なんだか、小津の映画の趣き。 俺は、小津映画大…

ロックよ、静かに流れよ ~「男闘呼組」解散だってさ

男闘呼組が、日比谷の野音で解散した。昨年再結成したことは知っていたが、今回の解散。デビュー35周年の期間限定の活動だったらしい。そんなことは、置いといて・・・男闘呼組主演の映画「ロックよ、静かに流れよ」は、印象深い。昭和最後の63年公開。当時…

「エクソシスト」より「フレンチ・コネクション」だろうが ~ウィリアム・フリードキン逝去

一触即発新聞の訃報記事、押並べて「エクソシスト」の見出し。ウィリアム・フリードキンと言ったら「フレンチ・コネクション」だろうが!と憤慨する我輩。興行的には「エクソシスト」、作品的には「フレンチ・コネクション」 しょうがないか・・・この映画の…

常識の範囲内で、自由につかってください BY  ジブリ

現実味を帯びる ~ネオ・ラッタイッド

ラッタイッド運動 産業革命時、紡績機械の普及に失業のおそれを感じた労働者による機械打ち壊し、「ラッダイト運動」。現代、AIの進化によって、雇用機会が奪われる懸念から、AIの活用を制限する動きがある。ラッダイト運動になぞらえて「ネオ・ラッダイト」…

「存在の耐えられない軽さ」 ~原作ミラン・クンデラ逝去 合掌

「性春」時代のど真ん中で、この映画を鑑賞。動機は不純。映画のポスターにそそのかされて。なんとも罪作りなポスター。日活ロマンポルノ(昭和語)並みのエロさ。若人は、1発KO。1968年民主化の風が吹き荒れた「プラハの春」。その渦中の3人の男女を描いた…

映画「桜桃の味」と名古屋シネマテーク

「名古屋シネマテーク」が7月28日、40年の歴史に幕を下ろす。名古屋の雑多な繁華街「今池」の雑居ビルの2階、座席40席の小さな映画館。全国のミニシアターの「草分け」的存在。 小生は、1度だけ訪れた。映画は「桜桃の味」。イランの名匠アッバス・キアロ…

映画「ねことじいちゃん」in 佐久島

猫?写真家「岩合光昭」初監督作品。 原作は、「ねこまき」作の同名コミック。小さな島に住む70歳の大吉(立川志の輔)。妻に先立たれて、猫のタマと2人きりで暮らす。島には多くの友人と、タマとタマのお友だちの猫。猫好きの 猫好きによる 猫好きのための…

宣伝しないことが宣伝になるジブリの凄味

「君たちはどう生きるか」 宮崎駿監督10年ぶりの新作。7月14日公開前の情報は、映画のタイトルとポスター1枚だけ。予告編も声優の発表もなし。そして俺の大好きなキャッチコピーもなし。「コピーがないことがコピー」だとさ。「宣伝をしない」ことが宣伝方針…

映画「フォレスト・ガンプ」とApple株

Appleの時価総額が3兆ドルを超えた。 終値ベースで3兆ドルを超えた企業は、世界初。ロバート・ゼメキス監督「フォレスト・ガンプ」とApple株にどんな関係があるのか?世間一般にはない。しかし、俺の中では沸沸とマグマ大使。映画公開前、俺はAppleのPC「Mac…

昭和名画座 山中貞雄「人情紙風船」

28歳の若さで日中戦争で戦病死した山中監督の遺作。28歳で、すでに、この傑作を生み出している、その才覚。驚愕である。 吾輩、作中の浪人の海野又十郎に異常に感情移入してしまう。父の知人に仕官の口を頼みに行くが、毎回邪険に扱われ相手にしてもらえない…

昭和名画座 小津安二郎「浮草」

家族の、あれやこれや、どうしたこうした、なんだかんだ、ありゃりゃこりゃりゃ等を描くことが得意だった小津にしては、めずらしい旅芸人の一座の織りなす人間模様を描いた作品。「彼岸花」で「山本富士子」に出演してもらったお礼に、松竹ではなく、大映で…

昭和名画座 野村芳太郎「張込み」

「張込み」というタイトルとは裏腹に、この映画の肝は、「張込み」でなく「鉄道」である。鉄道ファンではない俺でも感じるのだから、鉄道ファンにとっては、たまらん映画らしい。 殺人犯を追って横浜から佐賀まで、二人の刑事が乗った長距離夜行列車、約8分…

昭和名画座 市川崑「ぼんち」

「ぼんち」とは、船場商家の跡取のこと。「ぼんぼん」とは違い、放蕩を重ねても、ぴしりと帳尻の合った遊びする者の呼称。「せんべい」のことじゃないよ。老舗足袋問屋の一人息子、市川雷蔵と中村玉緒(正妻)、芸者の若尾文子(2号)、仲居の草笛光子(3号…

裕二 偉くなっちまったな

【カンヌ国際映画祭。是枝裕和監督「怪物」の脚本家、坂元裕二が脚本賞を受賞】 俺の坂元ベストは、TVドラマでは、「大豆田とわ子と三人の元夫」 映画では「花束みたいな恋をした」軽妙なドーンがたまらない。 何回でも見ても、飽きない。高校卒業後フリー…

ヨノイ大尉 逝く 「戦場のクリスマス」

坂本龍一、71歳、直腸がんで死去。俺の坂本ベストは、音楽家ではなく、俳優「坂本龍一」。大島渚監督の「戦場のクリスマス」のヨノイ大尉。デビット・ボウイに抱きすくめられ、頬にキスをされ、ヘナヘナになるシークエンスは、今でも鮮明に覚えていえる。戦…

黒澤明「生きる」とカズオ・イシグロ「LIVING」

昭和27年公開の黒澤明監督「生きる」。もう70年以上前の映画。ワタシの黒澤ベストは、娯楽映画に徹した「用心棒」。いわゆる「羅生門」的なアカデミックな類は申告敬遠。「生きる」も同類だったが、年金生活者となり、カズオ・イシグロの脚本でリメイクの事…

昭和の時代、町内には、牛乳屋が必ずあった

毎朝、牛乳を届けてくれる。当時は、自転車で配達した。朝、チリンチリン、自転車のベルの音。ガシャガシャという牛乳瓶の音。子どもの頃寝床の中で、 「牛乳屋さん来たんだ」と。牛乳は、牛乳メーカーの名前が入った木箱に届けられる。朝食に、妹と半分こし…

中川勝彦のおもひで ~東宝創立50周年記念作品「海峡」最終オーディション~

中川勝彦 中川勝彦と会ったのは、東宝創立50周年記念作品「海峡」の最終オーディション会場。 「海峡」 その名前を耳にするたびに、ほろ苦い記憶がよみがえってくる。「八甲田山」で日本映画歴代配収新記録を打ち立てた、森谷司郎監督の作品。「10万年前に、…

宮崎駿から、新海誠へ。

名取市日和山老兵は死なず、消え去るのみ。宮崎駿の10年ぶりの新作【君たちはどう生きるか】が、来年7月公開予定。オリジナルストーリーだが、タイトルは吉野源三郎の名著から、拝借している。この本に感動して制作するそうな。俺も、この本を読んだが、道徳…

【シン・ウルトラマン】~浮世絵と小津と特撮~

今週のお題「買ってよかった2022」 映画だから、正確には「見てよかった」だが、お金を払っているのだから、「買ってよかった」でもいいだろうという勝手な解釈。お許しあれ。久々に、公開が待ち遠しい映画。絶対に、映画館で見たい映画。鑑賞後、アレコレと…