どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

映画「桜桃の味」と名古屋シネマテーク

       

名古屋シネマテーク」が7月28日、40年の歴史に幕を下ろす。名古屋の雑多な繁華街「今池」の雑居ビルの2階、座席40席の小さな映画館。全国のミニシアターの「草分け」的存在。


小生は、1度だけ訪れた。映画は「桜桃の味」。イランの名匠アッバス・キアロスタミ監督・脚本。1997年第50回カンヌ国際映画祭で、今村昌平監督の『うなぎ』と共にパルム・ドールを受賞。『うなぎ』と同時受賞ということで興味を持った。上映の映画館を調べると、在住の名古屋では、「名古屋シネマテーク」のみ。「映画は大スクリーンで鑑賞」派の小生は、ミニシアターということで二の足を踏んだが、しょうがない、ここしかない、行くしかない。
映画は、人生に絶望した男が老人との出会いを通して希望を取り戻していく人間ドラマ。・・・らしいが、正直よく覚えていない。土埃が舞う道を走る1台の車のシークエンスだけが妙に印象に残っている。観客動員が見込めない映画ゆえ、ミニシアターでの上映しかなかった。

東京の「岩波ホール」、大阪の「テアトル梅田」、全国的に歴史あるミニシアターの閉館が相次いでいる。名古屋でも、この3月に「名演小劇場」が閉館。時代の流れか。ラインナップ豊富な映画配信サービスの存在。「映画は大スクリーンで鑑賞」派の小生は、「ミニシアター」まで足を運んでまで、という気になかなか、なれない。文化は、このように衰退していくのか、一抹の寂しさを感じるのみ。


蛇足。開館以来発行の「名古屋シネマテーク通信」はイケてる。