坂本龍一、71歳、直腸がんで死去。
俺の坂本ベストは、音楽家ではなく、俳優「坂本龍一」。大島渚監督の「戦場のクリスマス」のヨノイ大尉。デビット・ボウイに抱きすくめられ、頬にキスをされ、ヘナヘナになるシークエンスは、今でも鮮明に覚えていえる。戦争映画なのに、戦闘シーンは皆無。女性も皆無、男だけの世界。従来の単純な戦争映画とは、一線を画す傑作。
キャスティングの妙が光る。坂本龍一VSデビット・ボウイ。怪しげな雰囲気を醸し出す二人の存在は、この映画の肝。公開当時、20代だったワタシは、映画館の暗闇の中でドキドキしていた。後年の大島渚のテーマとなる「性愛」、それを見事に結晶化した、映画初出演の坂本龍一の存在。役者の「演技」とは、いったい何なんだろうと、当時役者志望の俺に疑問符を抱かせた。
蛇足。
「戦場のクリスマス」で音楽を担当した、音楽家「坂本龍一」は、一躍注目を集め、映画「ラストエンペラー」で、日本人として初の米アカデミー作曲賞を受賞。合掌。
