昭和ど真ん中世代の俺のベスト山田太一は、 「ふぞろいの林檎たち」。「それぞれの秋」「男たちの旅路」「岸辺のアルバム」等々、名作あれど、サザンオールスターズ世代は、「いとしのエリー」に弱い。中井貴一、時任三郎、柳沢慎吾の3人の主人公も、自分の青春時代にピッタリ重なる。
オープニング!画面に大きく 「山田太一 脚本」 の文字。遠方に高層ビルを臨み、手前に林檎を放り投げる複数の手のスローモーション。そして、主題歌のサザンオールスターズの「いとしのエリー」。もう、あかん。
そして、「学校どこですか」 第1回 サブタイトル。もう、メロメロ。このタイトルがこのドラマのコンセプトとすべて物語る。その鮮烈。ドラマ内容は、ご存知なので、省略。
欠かせないのが、サザンオールスターズ。主題歌「いとしのエリー」に続き、手塚理美と石原真理子の登場シークエンス、「勝手にシンドバッド」のイントロが流れる。
♪~ラララー ラララ ラララー
20代の俺は、TV画面の前で震えた。2回以降、「C調言葉に御用心」「いなせなロコモーション」「思い過ごしも恋のうち」「チャコの海岸物語」「栞のテーマ」等々、サザンの初期の名作が劇中で効果的に流れる。サザンのデビューの年に大学に入学した俺には、もうたまらん。
ドラマの音楽をいちアーティストのみにしたのは「ふぞろいの林檎たち」が初めて。それが、一番好きなサザンとあれば、もうアリの巣に落ちた蟻である。抗うこと不可能。
先輩の逝去に不遜であるが、これで先輩の数多くの名作が再放送されると思うと、なんだかうれしい気がする。あの世の寺山修司先輩と仲良くしてください。サヨナラ、昭和。