どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

その昔、新幹線には、【食堂車】があった。


新幹線16両の真ん中、8号車。8号車自体が全部、食堂。

名古屋在住の俺は、東京出張のお楽しみは、この食堂車だった。いつも瓶ビールとカレーライス。カレーライスを肴に瓶ビールを飲んだ。俺は、瓶ビールが大好きだ。安手のビールグラスに注ぐ瞬間、無上の喜びを感じる。(大袈裟な)それに比べ缶ビールは味気ない。
カレーライスは、たいして好きでもなかったが、一番安い料理メニューだったので、注文した。不思議なことに、このカレーライス、何回食べても、飽きなかった。後にのJR東海が【懐かしの新幹線カレー】として発売した。人気は高かったらしい。
20世紀との終わりとともに、食堂車は姿を消す。コスト面を考えれ当然の結果だが、なんとも寂しい。
おれの敬愛する藤原新也は、「食堂車がなくなって、日本の凋落が始まった」みたいなことを言っている。俺も、そう思う。あまりにもコストを追求するあまり、余裕のない社会になった気がする。
富士山を眺め、カレーライスで乾杯したあの時間は優雅であった。今は、座席で、缶ビールで冷えた弁当を喰らう。雲泥の差である。望むべきもないが、もう一度、食堂車で瓶ビールを飲み、カレーライスを食べてみたい。