どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

「源氏パイ」は、「源氏物語」とは全然関係がなかった衝撃の事実

平家パイ(左) 源氏パイ(右)

長年、「源氏パイ」は、源氏物語からのネーミングと思い込んでいた。「源氏」という冠だし、パイの形がハートのように見えるし、おやつの定番だし、・・・といった根拠のない理由から・・・。
しばらく食べてなかったので、「光る君へ」の鑑賞のお供に購入した。久しぶりに食べたが相変わらず美味。非の打ち所がない。まるで源氏物語と、悦に入っていた。
・・・で、よせばいいのに何気に「源氏パイ」関連のブログを検索した。

源氏パイ」と「源氏物語」は全然関係ない。

衝撃の事実が俺の胸を射貫いた。さらに衝撃の事実が再度俺の胸を射貫く。「源氏パイ」に名前の由来は、別の「大河ドラマ」からであった。1966年放映の尾上菊之助(当時)主演の「源義経」である。「源氏パイ」は前年の1965年発売。何かいいネーミングがないかと苦慮していたところ、来年「源義経」の大河ドラマが放映されることを知った当時の三立製菓のスタッフは、その人気にあやかろうと、「源氏パイ」の名前を決めた。源氏は、源氏でも、源義経であった。


大河ドラマ義経」は、有名な京の五条の橋での弁慶との対決や、屋島や壇ノ浦の合戦など名場面の連続と、主演の尾上菊之助の当時23歳という若さが評判を呼び、大人気であった。当時、小学生の低学年だった俺も、緒形拳演じる弁慶が目を見開いて立ちながら死んで逝く、「弁慶の立ち往生」のシーンを鮮明に覚えている。なんだかずいぶん怖かった記憶がある。大河ドラマ源義経」の大ヒットのおかげで、「源氏パイ」の人気も高まり、「おやつの定番」の地位を獲得した。まさに菊之助さまさまである。
ちなみに、2012年に大河ドラマ平清盛」の放映が決まると、それまで「レーズンパイ」の名称の商品を無理から「平家パイ」に変更した。四角い形のパイにレーズンがトッピングされた様を、「源氏の放った矢を受ける平らな盾」のイメージが、由来なそうな。残念ながら平氏は源氏にかなわないようで、売り上げはいまいちらしい。おれも「平家パイ」を見たことも食べたこともない。
しかし、源氏物語ではなく、他の大河ドラマと密接な関係にある不思議なお菓子である。

「平家パイ」を取り寄せことにするか・・・。