どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

ボケ老人カルテット 【哀愁の入院記④】


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入院中は、4人部屋。俺は不眠症なので、個室を希望したが。差額ベッド代1万円と意外に高い。大学病院は、そんなもんかなと、断念。ちなみに、一番高い部屋は、15階で眺望抜群、和室もついている。料金、1日11万円。かって、クライアントが入院した時に、この特別室に入院したらしいが、見舞いに行った上司が「すごいわ」と言っていた。ちょっと見たい気もしたが、コロナの影響か、階の移動は原則禁止なので、これも断念。
さて、4人部屋だが、俺を含めて、全員ボケ老人。整形外科は老人が多い。老人は骨を折りやすいのだろう。一人は完璧なボケ老人A。後2人は、半分ボケ老人BとC。そして俺の4人。Aは、ほとんど意識はなく、カーテン越しに拝見すると、口を完全に開けている。一瞬、死んでいるのかと思うくらい。しかし、食事はする。当然、自分では食べれないので、看護師が食事の補助をする。年配の看護婦が来ると食べない。男の看護師が来ても食べない。若い可愛い看護婦が来ると素直に食べる。ボケ老人とはいえ、そういう部分ははっきりしているなぁ~と人間の奥深さに感心した。さて、このジジイ、夜になるとすごいいびきをかく。昼間は、静かなのに、夜になるとすごい。まさに轟音。聞けば、ボケ老人のイビキは、そんなもんらしい。皆、迷惑しているが、なんともならん。次に、半分ボケのBとCだが、Bは、なんとなく看護師にも好かれているようで、最初は好印象だったが、妄言がスゴイ。起きているのか、寝ているのか、よくわからないが、独り言をしゃべる。まぁ、昼間はいいのだが、夜になると「**子! **子!」と女性の名前を叫ぶ。**子は、多分奥さんの名前と思うが、もし違ったら、たいしたジジイだ。Cは、点滴オヤジ。点滴の針を抜く。そのたび「チンチロリン」と警告音が鳴る。昼間はそうでもないのだが、夜になると繁茂である。そのたび、看護師がバタバタと走って来て、「針、抜いちゃダメせしょう!」と夜中なのにデカい声で怒る。お前の声がよっぽどうるさいじゃ!と思うが、ここは我慢我慢。ところで、このジジイのスゴイ事は、ちょうど看護師がナースセンターに帰る絶妙なタイミングで「チンチロリン」を鳴らす。一瞬、わざとではないかといぶかったが、半分ボケ老人には、その能力はないと思うが、わざとなら、それはそれで尊敬に値する。最後の俺だが、単にボケているだけで、静かなものである。たまに小便を漏らして、ナースコールをするくらいである。
さて、深夜。Aは、イビキの轟音。Bは「**子! **子!」と叫ぶ。Cは「チンチロリン」である。俺もたまに粗相をしてナースコールする。まさにボケ老人のカルテット。眠れない、地獄のような夜は長い。