どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

あえて、【蜜柑泥棒】の汚名をきて。

我が家の周囲には、蜜柑の木が多い。散歩の途中で必ず目にする。これは、別段、蜜柑を栽培されているわけではない。言わば、【税金逃れ】の結果なのである。
1991年に施行された生産緑地法により、宅地化が急に進んだ地域(三大都市圏)の農地や森林保護を目的に30年間農林漁業用地と指定することで、宅地並み課税をしない代わりに、その土地を農林漁業用地として使うことを義務付けた土地の事。それ故、住宅街の中に整然と蜜柑の木が植わっている。蜜柑の代わりに梅の木も多い。
そういう法律があるなら、しょうがないが、せめて植えた蜜柑に責任持てよと言いたい。税金逃れという目的のため、収穫はどうでもいい。収穫時期を迎えたにも関わらず、収穫されることなく、地面に落ちて、腐っていく蜜柑のなんと多い事よ。悲しくなる。せめて収穫して、自分とこで食べれないなら、ご近所に配ってやれよと思う。
突然だが、俺は、仁義を重んじる男だ。だから【仁義なき戦い】は嫌いだ。関係ないか、地面に落ち、腐っていく蜜柑を見るのは忍びない。せめて、俺が喰ってやろうと思い、落ちた蜜柑を拾っていたが、さすがに地面に落ちた蜜柑は、辛いものがある。どうせ落ちるなら、落ちる前に採ってもいいじゃんと思い、木についた蜜柑をもいでいた。そのうち、もぐのも大変なので、ハサミを持っていって切ることにした。蜜柑の木は、そこらじゅうにある。収穫には、困らない。挙句、我が書斎は蜜柑だらけになった。当然だが、スーパーで買うより、酸っぱい。おまけに、蜜柑の内側の皮が歯に挟まり、どうにもならん。挙句に、家人に言われた。

「それって、蜜柑泥棒って、ことじゃない?」

確かに言われれば、そうである。不安なりに弁護士をしている友人に相談すると、「それは、立派な犯罪。禁固3年執行猶予1年」と言われた。俺の「仁義ないうんぬんの」世界ではない。完全な泥棒である。しかし、弁護士の友人は、その後、恐るべきことを言った。

生産緑地法」に守られている「農地扱いの土地」は、30年を経た2022年以降、農地の適用が外れる時期が来るので皆、困っているんだ。俺と一緒に、その農家さんたちの相談に乗らない? 報酬は、う~ん1割やるからさ・・・・。


俺は、黙って電話を切った。そして、書斎の蜜柑を食べ始めた。あまりにも大量なので、全部消費するのは、随分先だ。

マーマレードにしてあげようか?

・・・とやさしき家人は、言ってくれたが、これは俺の責任。全部、生で喰うと宣言。多分、全部喰いきるのは、うさぎ年。うさちゃんは、蜜柑、食わないかな・・・。師走末のおそ松君。