どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

「おいしい生活」の「まずい活性」化~西武百貨店・池袋店ストライキに想う。


そごう・西武の売却をめぐり、労働組合は、ストライキの実施を通知。実施されれば、およそ60年ぶり。

40年前の昔話。大学を卒業したオイラは、今は無きセゾングループの中核「西武百貨店」に入社した。当時は、西武流通グループという流通企業らしいネーミングだったが、知らぬ間にセゾングループとなった。
今は見る影もない西武百貨店だが、オイラの入社当時は、結構ブイブイ言わせていた。年間キャンペーンを実施しており、入社時は「おいしい生活」。コピーライター糸井重里の最高傑作。「じぶん、新発見」「不思議、大好き」と続いたキャンペーンは、「おいしい生活」が頂点だった。その後「うれしいね、サッちゃん」「情熱発電所」とトーンダウンしていく。広告から一歩遅れるように業績も低下し、バブル崩壊で経営危機に陥り、2001年にセゾングループは崩壊。西武百貨店はそごうと合併、セブン&アイホールディングス傘下の「そごう・西武」として、なんとか生き延びる。
無能と有能の両面を併せ持つ、感性経営の堤清二が、一代でつくり上げ、一代でつぶした。
かっては、西武百貨店を筆頭に、パルコ、無印良品良品計画)、セゾンカード、ロフト、チケットセゾン、西武劇場、セゾン美術館、リブロ、インターコンチネンタルホテル等々、きらめく企業群であった。今は、良品計画、セゾンカードなど数少ない企業が残るのみ。壊滅的終焉であった。

華やかな企業イメージと裏腹に、西武百貨店の従業員の待遇は悲惨であった。まず、給料が安い。当時の同業他社「三越」「伊勢丹」と比べると雲泥の差。「西武の安い給料じゃ、西武で売っている高いものは、とっても買えない」というブラックジョークがあった。さらに、ビッグモーターより、過酷なノルマがあった。それも本来の業務以外にである。宝石を売ってこい!スーツを売ってこい!家電製品を売ってこい!等々、年中、@@@@キャンペーンという名のノルマ販売を強要された。ビッグモーターのノルマを知った時の正直な俺の感想。
「どってことないじゃん」
さらに、人事異動が滅茶苦茶。「棚卸」の成績が悪いと、どっかの店へ飛ばされる。当時、日本全国に西武百貨店があった。北海道に旭川店があった。知り合いの社員が、そこへ突然人事異動。そこ後の彼のことはよく知らない。

通常は、入社前に労働条件を確かめるものだが、「じぶん、新発見」「不思議、大好き」で盲目になっていた紅顔の俺は、「おいしい生活」躊躇なくに突入した。3年で音を上げた。昔話終わり。

そごう・西武は、アメリカの投資ファンドにおよそ2000億円で売却される予定。

2000億円?そんなに安いの!

小生の素直な感想。売却後、アメリ投資ファンドが、儲からない、時代遅れの百貨店経営を継続するとは、到底思えない。西武百貨店の立地はいずれも駅前と好立地。街の「活性」化の名のもとに、資産が切り売りされるもは必然。病床で、かっての仲間の憂いを想う。