俺はグルメ漫画の至宝【孤独のグルメ】の大ファンだ。TV東京のドラマ版も欠かさず見ている。今は、シーズン9をオンエア中だ。なんとも、すごい人気である。グルメ漫画の元祖であり、グルメドラマの元祖である。俺は、世間受けする前から注目していた。単行本の初版本も持っている。
2017年2月に作画の谷口ジローが死去。原作者の久住昌之は本作の今後については、「絵を描く人がもう旅立ってしまった」「3巻が出ることはありません」とコメントしている。
久住のこの言葉は、俺の琴線にふれる。そう、谷口ジローの画力を持っての漫画【孤独のグルメ】である。まぁ、いいじゃないか、松重豊主演のTV版がある。
主人公の【井之頭五郎】は、下戸だが、原作者の【久住昌之】はアル中なので、飲酒シーンも多い。それも、皆うまそうに飲む。イカンイカン。アル中にとっては禁断のドラマだ。五郎は、下戸のくせに、酒飲みの店にずんずん入っていく。なぜか。白い飯があれば、酒のつまみがご飯のおかずとして、【立ってくる】からだ。俺は、この【立ってくる】という表現が好きだ。なかなかの言葉のチョイスのセンス。下戸という設定もナイス。これが酒飲みだと、おかずよりお酒に比重が行き、よくある酒飲みの物語になってしまう。
漫画版の五郎は【結構文句を言いたがる】系だが、ドラマの五郎は【愉快なつぶやき系】だ。どっちの五郎も魅力的。まぁ、それぞれの媒体の特性を考えた結果である。ここらあたりも、にくいぜ!
料理の食材のかぶり、例えば【豚肉炒めと豚汁】【卵焼きとおでんの卵】【ポテトサラダと肉じゃが】になどに気づき、少々後悔するシーンもお茶目。結局、両方おいしくいただき、満足する。なんとも、ステキな五郎ちゃん。
BMWに乗っている。意外にお金持ちな、五郎ちゃん。
久住によれば、谷口が描かなかった最後の1話の未発表エピソードが存在するという。知りたい気もするが、秘すれば花。まぁ、諦めるとしよう、五郎ちゃん。