どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

鷗外忌のあれやこれや

        


7月9日は鷗外忌。
教科書的には、夏目漱石と双璧をなす明治の文豪という位置付け。俺的には、10対1で漱石。命日にこんなことを書くと、バチがあたりそうだな。漱石の革新性に比べると、いかにも旧態依然とした鴎外。文学作品も皆なんだが面白み欠けるというか、はっきり言って退屈。ますますバチがあたりそうな感。代表作の「舞姫」なんぞ、教科書に取り上げられなかったら、生涯読むことはなかったろうに。軍医の片手間に小説を書いてみましたという感がありあり。ますますますバチがあたりそうな。

         

乃木希典の殉死に影響を受けて「興津弥五右衛門の遺書」を執筆。以後、歴史小説を手がける。歴史小説の中で、歴史そのままと言われる「阿部一族」は鴎外作品の中で、唯一俺の琴線に触れる。あらすじは、めんどくさいので詳細を省くが、武士道精神の「殉死」の物語。なぜか殉死が好きな鴎外。さて、この作品の肝は、俺的解釈では「同調圧力」。未だ日本にはびこる魑魅魍魎(難しい漢字ね)。「阿部一族」は、鮮やかに令和日本を映し出す。コロナ禍の中で痛感した「同調圧力」。マスクをしないとすべての行動は、NG。民主主義の象徴、議事場でマスクから鼻を出しただけで懲戒処分。ワクチンを接種しないとSNSでボロクソ。出社拒否の企業体etc. なんとも素敵な世界。

唯一小生が評価する小説も、松本清張の手にか書かかれば、かくの如し。
【鴎外の「阿部一族」は下敷きにした『阿部茶事談』ををほとんどといっていいくらい逐条的に鷗外の文章に書き改めたものであり、鷗外の意見らしいものはところどころ静寂な情景描写以外は一言半句も挿入されていない】さすが、清張。斎藤茂吉唐木順三による『阿部一族』の同調圧力を屁とも思わず。

同調圧力、ワタシの好きではない言葉です。