高校時代に、こんな詩を書いた。
【にんじん畑】
にんじん畑を歩いた。
霜柱が折れて
パキパキと。
にんじん畑を歩いた。
白い息が
もうもうと。
にんじん畑を歩いた。
吹き渡る風が
ごうごうと。
にんじん畑を歩いた。
胸のときめきが
にんじんと。
あなたと一緒に歩きたいと思った。
あなたとふたりで歩きたいと思った。
にんじん畑を独り歩いた。
高校への通学路の途中、にんじん畑があった。当時、若気の至りで「詩」を書いていた。今考えると赤面ものであるが、当時は「文芸同人誌」を自分で作って、そこにつたない詩を掲載した。若さとは、恐ろしいものよ。これでも受験雑誌【学研】の小説公募で入賞したこともあるんだよ。遠い昔のささやかな自慢。