どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

辛辣と鮮烈 ~古沢脚本のセリフ術


どうする家康「史上最大の決戦」篇の肝は、家康公の言の葉。

【辛辣】
「何も持たぬ【百姓】だった男が・・・」

秀吉の出自を語る、このセリフ。一瞬ドキッとした。「百姓」は、NHK的にOKなんだな。だったら「どん百姓」の方が、感じが出たと思うが、古沢脚本が採用しなかったのは、NGだったかもしれない。閑話休題
現在の名古屋市中村区あたりの貧農の家に生れた秀吉。しかし、「何も持たぬ」わけではない、乱世を生き抜く術を持っていた。艱難辛苦の末、その術を研き、天下人になった。
対して、「人の一生は重荷を負うて」の家康公は、松平家の嫡子。生涯は苦労の連続であったが、一応、お世継ぎ。好きな言葉ではないが「親ガチャ」にめぐまれた。情けない家康公にも嫡子であるが故、家臣団もしょうがなく、なんとかかんとか、ついてきた。
令和の時代に無理矢理置き換えれば、ベンチャーの起業者とオヤジの中小企業を大企業にした社長。さらに無理矢理言えば、ソフトバンクトヨタである。同族会社の大社長は、得てして、ベンチャー起業者に対して、こんな悪言を吐く。(トヨタのことじゃないよ)
古沢脚本は、今日の経済社会の姿を戦国時代に置き換えて見事に描いてみせた。・・・というのは、俺の妄想。

【鮮烈】
「そういう男は、欲に果てがない」 

秀吉の全体像を一言で切り取った鮮やかすぎるセリフ。自らの欲を原動力に、他人の欲を利用し、天下人になった男。当然、欲に抑制が効かない。欲を抑制すること。それは自己否定の側面を持つ。なにもかも手に入れたと思ったが、世の中には未だ手に入れてないものがごまんとある。嫡孑と領土。秀頼と「唐入り」。 欲で成り上がった男は、欲で自らの滅亡のトリガーを引く。祇園精舎の鐘の音 諸行無常の響き。お楽しみは、これからだ。