どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

史実論者の不毛な議論 ~森鴎外「歴史其儘と歴史離れ」を想う

     

「どうする家康」の場外バトル。史実とは違うの、うんだからかんだら、ならぬ堪忍するが堪忍の、史実論者。学校でちゃんと日本史の勉強をしたんだろうと思う。悪い事ではない。

ちゃんと勉強してこなかった小生は、森鴎外「歴史其儘と歴史離れ」を想う。1915年発表のエッセイ。鴎外は、近代文学の「歴史小説の祖」というのが、小生の位置付け。
このエッセイが書かれた1915年以前の鴎外の歴史小説は、事実を脚色せずにありのままに書かれている。それ故「歴史其儘」。一連の作品は、小説ではないと批判された。なぜ脚色を加えなかったのか?

「わたくしは史料を調べて見て、其中に窺はれる【自然】を尊重する念を発した。そしてそれを猥に変更するのが厭になつた」。
しかし、それが小説ではないと批判を受けた。インテリは打たれ弱い。若き鴎外の苦悩。

「わたくしは歴史の【自然】を変更することを嫌つて、知らず識らず歴史に縛られた。わたくしは此縛の下に喘ぎ苦んだ。そしてこれを脱せようと思つた」これが「歴史離れ」。

鴎外は柔軟な考えの人。それ故、夏目漱石と双璧をなした。
今、想う。「どうする家康」は、人を判断する「リトマス試験紙」だと。