どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

【男おいどん】逝く


宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」等のSF作品で知られる漫画家の松本零士、急性心不全、85歳で逝く。合掌。
俺にとっての松本零時ベストは、SFものではなく、大四畳半もの男おいどん
「無芸大食人畜無害」を信条とし、チビでガニ股・ド近眼・醜男・サルマタ怪人とまで呼ばれる、主人公の大山昇太。
老朽下宿で四畳半の部屋を借りて、「いんきんたむし」に悩みながら極貧生活を送る。好物は、「ラーメンライス」 部屋の押し入れにはパンツ(サルマタ)山積み、サルマタケと称するキノコが生える。貧困ゆえにサルマタケを料理して食べる。自給自足?どうしようもなく、情けない若者の姿が笑いと共感を呼ぶ。【男おいどん】は、初の大ヒット作品となった。
当時、大学受験に失敗して鬱屈していた俺は、大山昇太に一発で感情移入した。いつか故郷に錦を飾ろうとす大山昇太に自分自身を投影した。単行本を全巻揃えて、耽読した。読み進めるうちに、股間が痒くなる気がした。「いんきんたむし」の存在をこの漫画で初めて知った。たぶん、「ラーメンライス」も。
下宿のバーさん、ラーメンのオヤジ、謎のトリさんなど、大山昇太の取り巻きも、キャラが立っていて、イケてる。
その後、SF漫画の巨匠となる松本零時とは対極にある、人情味あふれる描写の傑作。残念ながら、ラストシーンを覚えていない。大山昇太は、どうなったんだろう。

蛇足☟

中日新聞