どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

一兆円をドブに捨てた、スペースジェット

中日新聞

愛知県民以外はよく知らないと思うが、愛知県の小牧空港にある三菱重工の子会社【三菱航空】が、国産初の民間ジェット機の開発を進めていたが、このたびめでたく頓挫した。
国費500億円を含め、約1兆円をドブに捨てた結果になる。この中には、俺たち、愛知県民の税金も随分つぎ込まれた。正確には発表されてないが、随分の額である。2003年に事業化が決定された。大村愛知県知事は、当初からこの事業に前のめりであつた。自動車産業に続く、産業として航空機産業がいいと独り決め込んだ。自動車産業同様、航空機産業は、裾野が広い。多くの中小企業がかかわってくる。実用化すれば、雇用は生まれるし、税収は増えるしで、愛知県は、ウハウハである。愛知県知事として、大村がのめり込むのも無理はない。
当初、プロペラ機【YS11】を作った三菱だから、実用化できるだろうとみんな、たかをくくっていた。戦前は、【零戦】とい名機も製造した。なんにしても、技術立国Japanである。
しかし、暗雲が立ち込める。2013年に初納入を予定していたが、6度の延期。同然受注していたものはキャンセルが続く、事業規模の縮小を余儀なくされ、今回のざまである。
ダラダラ実用化の見込みのない開発を続けた三菱重工の罪は重い。この事業に社運をかけて参加した中小企業は多い。それらの今後を考えると切ない。倒産する企業も多いだろう。ひるがえって、三菱重工はビクともしない。こんな理不尽があるか?
2015年には、初飛行をした。当時は、これで何とかなるかな、微かな期待を抱いたが、あの時点で実用化は無理ではなかったのか?幹部連中の自己保身のために実用化の見込みない開発を続けたのではないか?あの時点で開発をあきらめていれば、救われた中小企業も多いはずだ。

国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット」の開発中止の報道を否定
三菱重工業は2月6日、一部で報道されている三菱航空機の国産ジェット旅客機「三菱スペースジェット」の開発中止を否定した。
報道について「当社及び当社子会社である三菱航空機株式会社が発表したものではありません」としながらも、「様々な可能性を検討」とコメントしている。

この後におよんで、なんともみっともない。「様々な可能性」とはなにか?そんなもんあるわけないだろう。自分たちがよく知っているはずだ。次期戦闘機に知見を生かすという報道もある。なんじゃ?戦闘機?開いた口が塞がらない。金返せ!

スペースジェットは、小型のジェット機で【リージョナルジェット】として、多くの国で、開発、実用化されている。なかには、ブラジル、ウクライナ、インド等の国も含まれる。失礼を承知で言えば、ブラジルの技術力より、日本の方が上と思う。しかし、実用化できなかった。
何故か?以前ブラジルの企業の幹部の話をネットで見た。「我が社は、非常にオープンな組織です。誰でも好きな事言っています」と。
案外、このへんに頓挫の原因があるのではないか?昭和時代の縦割り組織で開発を進めたのではないか、有能な技術者たちは萎縮し、自由な発言ができない。結果、たいした成果もあげられなく、結果、開発中止。俺の邪推か。日本の凋落を見る。