「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」
俺の敬愛する藤原新也の至言。
しかし、犬に食われるほど自由なニンゲンは皆無。多くは、病院のベットの上で朽ち果てていく。すんなり逝けるは、少数派で、多くは苦しみながら逝く。俺も多分そうだろう。時期がいつかはわからないことが悩ましい。アル中で、糖尿病で、脳梗塞の後遺症に苦しむ、ビッコ俺は、確実に平均年齢より先に逝くことは明白だが、時期は不明だ。不遜だか、これが癌患者だとだいたいの計算はできる。医者が癌で死ぬことを望む理由がここにある。苦しいのがイヤだが、苦しみがいつまで続くのかわからないのは、もっとツライ。
俺は、今、病院のベットの上にいる。何回目かの入院か、もうわけわからない。ボケたというよりか、考える気力がない。唯一無二考えることは、
お前は、なにをめざしたか。
自問自答を繰り返すが答えはない。多分正解はない。酒に溺れ、己に負け、家族に迷惑をかけ、医療関係者に迷惑をかけ続けた5年間。できれば、5年前に時間を戻し、まっとうな人生を送りたいが、結局、今のようになるのがオチである。もう、どうしていいかわからん。最初からわからなかった気がする。ぐちぐち如月の日々。