なんか、この手の「励まし」的なコメントって、いつも違和感を感じる。コメントを発する側は、ある種の達成感に浸っていて、「君にもできるよ」的な内容を安易に語る。本人は、本気でそう思っているだけに、余計にたちが悪い。ある種「特別な人」たちが、一般人に、自分の経験をあたかも「普遍性」があるがごとく語る。
極端な例だが、オリンピックの金メダルリストが、講演会などで「努力すれば、必ず報われる」的なことを能天気に語る。本人は、他人の何倍も努力して、金メダルを獲得したと思っている。それは、事実であろう。賞賛に値する。しかし、その陰で他人の何倍も努力しても、金メダルを取れなかった人が数多くいる事実を忘れている。「努力しても、必ずしも報われない」のが事実なのである。努力しても報われない。この世の常である。
生存バイアス
何らかの選択過程を通過した人・物・事のみを基準として判断を行い、その結果には該当しない人・物・事が見えなくなることである。
世の中には、この【生存バイアス】で物事を判断する人が、いかに多い事か。とくに、いわゆる「成功者」「勝ち組」と称される輩は、ほとんど、そうである。
【聞いてくれる人はいない】【居場所を見つけられない】【時間が止まらない分だけ遅れをとる】・・・かもしれないのだ。身も蓋もない言い方だが、昭和ど真ん中世代の俺は、そう思う。最後は、自分との勝負だ。それを自覚せよ。
