どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

巡光線と、順光線と、巡航船 【ちむどんどん】

朝ドラ「ちむどんどん」は、いまいち感情移入ができない。なんだか白けた感じで見ている、毎日。ヒロインの黒島結菜は、いまいち感が強い。学芸会を見ているようだ。これは彼女のせいではなく、そういう演技を求める演出のせいである。
羽場大介の脚本家もいまいち感が強い。ステレオタイプが鼻につく。朝ドラなんて、そんなもんだが、前作の脚本が秀逸だっただけに、その感が強い。羽場と言えば、2年連続で日本アカデミー賞最優秀賞受賞の逸材、俺の大好きな「つかこうへい」の愛弟子。映画と朝ドラでは、使う筋肉が違うか?閑話休題
本日の眼目は、そこにはない。三浦大知の歌う主題歌【燦燦】である。本編に比べて、主題歌はイケてる。三浦大知の世界である。毎日、朝ドラを見ているのは、この主題歌を聴くためかもしれない。メロディもイケてるが、歌詞もイケてる。最近の歌にはない、奥深さ、「文学性」を感じる。一節にこんな歌詞がある。

響いて この歌 あなたへ
降り注ぐ順光線(じゅんこうせん)
照らす背には永久の願い
「大丈夫 ほら 見ていて」

初めて聞いた時に、【じゅんこうせん】は【巡光線】だと思っていた。仏教用語に【御巡光】という言葉がある。仏像が全国を巡り、人々に功徳を与えることを意味する。しかし、仏教用語かと少し違和感を感じたのでググってみた。

巡航船

・・・と、出て来た。舞台が沖縄だけに、船で巡るかと妙に納得した。過日、歌詞を見る機会があった。

順光線

・・・であった。最初から、調べればどってことない話だ。

被写体に対し、正面(カメラ側)から当たる光を順光という。 順光では、被写体に直接光が当たるため、色や形をはっきりと正確に描写することができる。 青空や木々を鮮やかに描写する風景写真に向いている。

確かに、【順光線】が、一番歌詞に馴染んて、すっきり来る。己のアホさ加減にあきれた。
しかし、同じ言葉の響きでも、巡光線と、順光線と、巡航船と思いを巡らすことのできる、日本語の奥深さ。言の葉の人間は、こんなことが楽しくてたまらない。