どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

物悲しくも 心惹かれる コンサート

新聞の片隅に載ったコンサートの広告

「あの人は、今」が大集合のコンサート。みなさん全盛期は過去の昔であるが、いまだ現役である。年金生活者のわが身は、首を垂れるしかない。しかし、なんともしんみりとするメンバー構成である。一世を風靡した方々だけに、その感が強い。日によっては、13:00~ 18:00~の1日2回の公演もある。なんとも頭の下がることである。しかし、本日の眼目はそこにはない。

このコンサートを仕切るのは、「夢グループ」の社長。あの怪しげな通販番組に出演中のかつらオヤジである。あのオヤジ、のほほんとした印象だが、やり手である。それもバリバリという感じ。その根拠が、この【夢スター 歌謡祭】。マーケティングの視線からみると、案外、イケてる。コンサート=若者というイメージだが、その逆をいった。シニアに対象を絞った。シニアと言っても、若い頃は、コンサートに通っているから、そのハードルは低い。従来、シニアには、この手の存在は、温泉施設の附属のステージしかなかった。逆に、若者ぶるシニアにとっては、温泉施設の方がハードルが高い。そのギャツプ、スキマスイッチを押した企画である。

ふと、【ランチェスター戦略】を思い出した。

ランチェスター戦略
戦力に勝る「強者」と戦力の劣る「弱者」にわけ、それぞれがどのように戦えば戦局を有利に運べるのかを考えるための戦略論。「同じ武器なら勝敗は兵力数で決まる」という前提をもとにした「強者の戦略」と「弱者の戦略」に分けられる。もともとは第一次世界大戦での航空戦から生まれたが、現代では実践的なマーケティング理論として活用されている。

・・・というこだが、よくわからんわな。簡単に言うと、中小企業が大企業に対抗して、生き残っていくための方便である。今を時めくソフトバンクも中小企業の時代は、このランチェスター戦略を駆使し、あそこまで昇りつめた。

【夢スター 歌謡祭】は、このランチェスター戦略「弱者の戦略」のお手本である。
①局地戦…ビジネスの領域を絞る ☞ シニア限定のコンサート
②一騎打ち…1社限定と競合する ☞ 今のところ、相手は、ゼロ。競合がいない。
③接近戦…敵ではなく、顧客に接近する ☞ シニアは、お手のもの。
④一点集中…1点に絞って戦う ☞ その昔の「スター」を大胆に起用。
⑤陽動作戦…競合相手の裏をかく戦法 ☞ 裏をかくもなにも、競合がいない。

う~ん、思わず唸るしかない。夢グループのかつらオヤジは、ランチェスター戦略を知っていたか?知っていればスゴイ。知らなければ、それはそれで、スゴイ。
前列10列目までのプレミアチケットは、8,000円。思わず、心が動く。申し込みは、ハガキ、電話、FAXのみ。時代錯誤の感は否めないが、コストパフォーマンスを考えたプロ意識であろう。対象は、シニア限定だから、良しとする。
コンサート当日は、社長みずから挨拶に来る。仕事というより、好きだから来るのだろう。そんな雰囲気を感じる。そんな感じが、出演者の昭和のスターにも心地よいのだろう。
人生100年時代。シニア限定のコンサートは、成長産業である。今は、ブールオーシャンで優雅に泳いでいるが、そのうち競合が現れるか?微妙なところだが、トップランナーしての利益はある。たいした額ではないにしろ。

蛇足。三善英史は、「雨」の一曲だけで、一生生きていくんだなぁ~と思うと、しみじみする。

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