タクシードライバー 苦労人と見えて
あたしの泣き顔を 見て見ぬふり
天気予報が今夜も 外れた話と
野球の話ばかり 何度も何度も繰り返す
中島みゆきの詩は、心に染みる。
失恋した酔っ払い女とベテランタクシードライバーの物語。ドライバーの優しい心根が、失恋女の傷心を癒すという設定。さすが中島みゆきは、一味違う。奥が深い。
・・・と、今まで思っていた。
しかし、それは、本当のことなのか?微かな疑問が浮かんできた。
タクシードライバー 苦労人と見えて
このタクシードライバーは、本当に苦労人なのか?他に仕事がないので、とりあえず、タクシードライバーやってまぁ~す・・・というチャランポランの輩ではないのか?
天気予報が今夜も 外れた話と
野球の話ばかり 何度も何度も繰り返す
これも、失恋女へのタクシードライバーの優しい心遣いという趣きだが、本当にそうなのか?このタクシードライバーは、心底アホで、「天気と野球」の話しかできないのではないか?「何度も何度も繰り返す」のフレーズにその予感がする。
あたしの泣き顔 見て見ぬふり
これも単なる「事なかれ主義」ではないか?だいだい、泣いている酔っ払い失恋女に関わりたいと思っている輩がいるとは、到底思えない。「見て見ぬふり」は、優しさではなく、当たり前のことなのである。
総括すると、ちょっと頭のいかれた酔っ払い失恋女が、自分に都合いいことばかりを思い込んで、自らを慰めている、ということだけである。よくある心理現象で、これを心理学で言うところの【確証バイアス】である。
その視点から見ると、【タクシードライバー】の詩も色あせて見えるが、まともな人間はそんな斜に構える見方はしない。ちょっと頭のいかれたの俺くらいの者であろう。
そんな俺にも、やっぱり染みる【タクシードライバー】
BEBEのカバーでお聴きください。
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