どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

常滑やきもの散歩道

旧友の親友が、「常滑やきもの散歩道」に工房をつくるのに苦労しているらしい。せめても応援ブログ。まぁ、役に立たないが、気は心。

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常滑やきもの散歩道

吾輩の故郷、名古屋の南「知多半島」の真ん中に【常滑】という地域がある。焼き物の里である。焼き物と言っても、その昔は器の類ではなく、土管のような大物の産地であった。さすがに現代社会では、陶器製の土管の需要はなく、器の類が主流になっている。朱泥の急須が名物。町並みは、昭和初期の雰囲気を残し、今では「常滑やきもの散歩道」として、陶器工房が軒を並べて人気を集めている。
昔々の話。愛知県の広報の仕事で、カメラマンの浅井慎平氏をお連れした。やきもの散歩道の象徴的な存在である【土管坂】を撮影していただいた。文字通り土管でできた坂である。文藝春秋に掲載した。(上の写真)

お昼に、鰻を食べた。その昔、焼き物職人は、重労働で体力が必要であり、しかも手っ取り早く食べられる鰻丼が重宝されたそうな。まぁ、今から考えれば贅沢な話だ。その名残で、鰻屋が数件ある。そのうちの一軒に入った。著名な写真家であるので、店の主人にサインを求められた。正直、俺は「うざい」と思ったが、浅井慎平氏は気さくな人物で、気軽に応じた。通常は、店名と名前を書く程度だが、彼は絵を描き始めた。常滑特有の高い煙突がそびえる風景である。着色するものがないので、卓上にあった【七味唐辛子】で、煙突にオレンジ色を着色した。おまけに【山椒の実】で、茂っている木々を表現した。俺は、思わず唸った。「これが、アーティストか」と。

まもなく梅が咲き始める。訪れてみるかな「常滑やきもの散歩道」。そして、あの鰻屋に色紙が飾ってあるか、見てみるか。春は、もうすぐそこまで来ている。