大阪・北新地の心療内科クリニックが放火され、25人が死亡した事件の容疑者・谷本盛雄。入院先の病院で死亡。犯行の理由を聞くことは出来なくなった。逃げようとする人々を押し戻すなど、完璧な殺人鬼である。
「谷本に『出所してから何したいんだ』と聞いたところ、『とにかく嫁さんとよりを戻したいんや』と。『ちゃんと話して折り合いをつければいい』と言うと、『そうそううまくいかない。連絡がつかないんや』と弱気で、随分と悩んでいる様子でした」文春オンライン
そんなに嫁さんが恋しかったか、谷本。犠牲になった方には申し訳ないが、なんだか、しんみりとする。合掌。
この事件の背景には、「老人の孤独」がある。特に男性である。定年退職した後は、それまで辛うじて会社を媒体にしていた友人関係は消滅する。正確には、仕事がらみの付き合いだから友人とは言えない。後は、学生時代の旧友であるが、同窓会に出席するなどの限られた機会にしかない。日本の、男の、老後は、おしなべて「孤独」なのである。なにかのきっかけで、この「孤独」が事件の引き金になる。現在、俺にも、友人はいない。「孤独」である。なにか事件を起こすか？そんなガッツはない。妄言老人として、戯言を書き連ねるしかない。哀れなものである。日本の、男の、老後は、おしなべて哀れなものである。そう覚悟して生きていくしかない。
