どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

ドローンがない時代の空撮

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モーターパラグライダー

昔話。リゾート施設の空撮をする仕事をした。まだ、ドローンの【ド】の字もない時代。モーターパラグライダーに、操縦士?とカメラマンの二人が乗り、大空に飛び立ち、空から撮影した。まさに空撮である。

モーターパラグライダー
パラグライダーに、「プロペラ」をつけて上空を楽しむスカイスポーツ。一般的なパラグライダーの場合は山から飛行するが、モーターパラグライダーの場合は平地から上空へ飛び立つことができる。

上の画像は、その時のものである。小さくてほとんどわからないが、操縦士とカメラマンの二人がパラグライダーから吊り下がっている。操縦士は、プロペラを背負っている。
プロペラの動力があるから、平地から飛び立てることができる。しかし、その離陸の時は、ヒヤヒヤものである。プロペラを回しながら、中年の男が二人、ドタドタ走って行く。ああ、危ない、無理だ!と思った瞬間、フワッと浮き上がる。見守っている我々は、ほっとする。この心臓に悪い離陸が1日何回も繰り返される。1回離陸すると、1時間くらいが飛行できる。プロペラの音が結構する。リゾート施設の客から苦情がでそうなものだが、当時は珍しかったのか、みんな興味津津である。
予算の関係で1日限りの撮影なので、日没寸前までぎりぎり粘った。リゾート施設に明かりが灯る。なんとなく心温まる時である。その上空を中年男が二人、騒音をまき散らして飛んでいる。印象派の絵画の趣きである。この時に撮影した映像は、夕暮れの中、リゾート施設の灯りが幻想的で、なかなかの出来であった。ドローンでは、撮影できない映像であった、気がする。そのせいか、今もまだTVCMに使われている。オンエアをたまに見ると、その当時を思い、しみじみとする。口をついて出る言葉は、当然、「昔は、よかったなぁ~」。やれやれ、老人になったものよ。

ひとつ、疑問が残った。この時のカマラマンがデブであった。こんな危険な仕事をするなら、ダイエットすればいいと思うが、余計なお世話だわな。