どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

かって、こんな仕事をした。【愛知県消費者被害防止キャンペーン】

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君は、きんさんぎんさんを知っているか。
明治、大正、昭和、平成の4つの元号を生きた長寿の双子姉妹である。「きんは100歳100歳、ぎんも100歳100歳。ダスキン呼ぶなら100番100番」のTVCMで有名になり、双子のお婆さんとして親しまれた。1990年代のことだから、知らない人が多いだろう。このぎんさんに、四姉妹の娘さんがいらして、いずれも大正生まれの長寿であった。

たまたま伝手があり、「愛知県消費者被害防止キャンペーン」で、この四姉妹の方々をキャスティングした。お年寄りを対象とした悪質商法が急増している時期で、ご無理を承知で、いつも四人で集まる四番目の娘さんのご自宅にお願いにうかがった。ご子息の方々が、もう年寄りだからと難色を示されたが、四姉妹の方々は、同じ年寄りのためになるならと快諾してくれた。このあたりの矍鑠さは、ぎんさんの遺伝子かなと思った。
この四姉妹の方々を【史上最高齢のキャンペーンガール】かもしれない、として打ち出した。これがマスコミに刺さった。グサグサ刺さった。地元愛知県はもちろん、全国的な注目を集めた。当時まだ現役であった、みのもんたの朝のワイドショーも取材に来た。ヤフーのトップページのニュースにも取り上げられた。愛知県の知事公舎で、知事から【史上最高齢のキャンペーンガール】としての委任状を受ける時は、マスコミが殺到して、その対応に苦慮した。俺の広告人生の中で、最大のパブリシティ効果をあげた。高齢にもかかわらず、愛知県内のイベントに引っ張りまわした。イヤな顔見せずに、「はいはい」と付き合ってくれた。今考えると、己の身勝手さに呆れるばかりである。なんともはや、何とも言えません。

その後、歯切れのいい話ぶりが人気を集め、ちょくちょくとテレビなどで見る機会を得た。「ああ、まだお元気なんだ」とその姿を拝見するたびに、なんとなくホッとした覚えがある。2017年に三番目の娘さんの百合子さんが95歳で逝く。そのこと後で知った。後を追うように、翌年同じ95歳で四番目の娘さん美根代さんが逝く。この美根代さんは、車の運転免許を持っていて、俺たちスタッフが電車で打ち合わせに訪れた折、帰りにご自身の軽自動車で、最寄りの駅まで送ってくれた。とても上手な運転だった。「運転、お上手ですね」と俺が声をかけると、「そう」と微笑んでくれた表情を、今でも鮮明に覚えている。晩年は、娘さんの説得で免許を返上して、自転車で買い物に行っていたそうな。それはそれですごい。その後の訃報は聞かないので、一番目と二番目の娘さんは、ご健在なのかな。よくは、わからねど。  さて、冬が来る。