「福来さんも、酒ですか?」
「ああ、私はもう、三回目。運ばれるの。
今回なんか、腹水が溜まってカエルみたいな腹になってたものな」
「そりゃたいへんですね」
「その腹水がなかなか退かなくて。
入院したときには盆までには帰れるだろうと思ってたんだがね」
「もう、長いんですね」
「そ。“腹水盆に帰らず”といってね」
2004年7月15日、三上寛、あふりらんぽのライブに飛び入り参加、終演後に三上寛と酒を酌み交わし別れた後、翌16日未明に神戸の飲食店の階段から転落して全身と頭部を強打。脳挫傷による外傷性脳内血腫のため神戸市内の病院に入院、15時間に及ぶ手術を行うも脳への重篤なダメージにより深刻な状態が続き、自発呼吸さえできない状態に陥る。入院時から意識が戻ることはなく、事前の本人の希望に基づき、人工呼吸器を停止。同月26日午前8時16分に死去。享年52。遺骨は夫人の手で散骨され墓は無し。
コピーライター講座の我が師匠。安らかな眠りを。