どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

【団体競技】に強いが、【団体戦】に弱い、日本人の特性。

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野球、ソフトボールは、金メダル。柔道混合団体、体操男子団体は、銀メダル。

この差をつらつら考えた。野球、ソフトボールは、【団体競技】。柔道混合団体、体操男子団体は、【団体戦】、正確に言えば、「個人競技」による【団体戦】である。似て非なるもの、全然別物である。「団体競技」と「個人競技」、まったく違う。
日本人のメンタリティーとして、「チームのために For the team」という思想のもと、一致団結すると、まことに強い。
巨人の坂本選手は、躊躇なく、送りバントをする。栗林投手も、嫌な顔せずに、淡々と連投する。上野投手は、39才で若い選手をグイグイ引っ張る。後藤投手も、三試合連続の好リリーフ。しかもアホな河村が金メダルをかじったオマケ付。
それに比較して、柔道、体操は、団体戦と言いながら、個人の勝負である。「チームのために For the team」という思想は同じだが、そのためには一人ひとりが頑張るしかない。団体競技に必要な「自己犠牲」の精神は必要ない。
この「自己犠牲」の精神が必要か、不必要か、の違いにあるような気がしてならない。チームのために自分が犠牲なるという気持ちの時は信じられない力を発揮するが、チームのために自分自身が頑張るしかないという状況では、モチベーションがそれ程上がらない。
つらつら思うに、多分、これが日本人の本質なのかもしれない。令和になっても、昭和と変わらない。心の奥底では。犠牲になりたいのだ。自分の幸せより、他人の幸せ。これが日本人の美徳なのだ。

さて、ここでやっかいなのが、ベスト4の「サッカー」である。「自己犠牲」にあふれたチームワークのいいチームだった。しかし、今一歩、メダルに届かなかった。何故か?答えは単純である。他のチームが強かったからだ。フットボールは、全世界で行われている最大のスポーツだ。強豪チームはごまんといる。
それに比べ、ベースボール、ソフトボールは、東南アジア、北中米の地域のみで行われている辺境のスポーツだ。今回のオリンピックでも自国開催という観点から、採用された競技種目である。ソフトボールなどは、北京オリンピック以来、13年ぶりの金メダル連覇である。これは、これで驚きだ。次回のパリ大会では開催されない。極端な言い方をすれば、「井の中の蛙 大海を知らず」的なスポーツである。まぁ、こればっかりは、なんともしがたい。
「サッカー」は、大海の波にもまれるスポーツだ。他のスポーツの世界選手権にあたる「ワールドカップ」に出場するだけでも大変である。地区予選、最終予選を勝ち抜いてやっと出場。そして、胃がキリキリ痛む予選リーグ。そして、未知の世界の決勝トーナメントの先のカップである。他のスポーツとは、その規模、その費用、その経済的効果は、格段の違いだ。
しかし、それだからと言って、野球、ソフトボールの金メダルの輝きがあせることはないのだが、事実は、事実であり、現実である。

惜しむらくは、「無観客」である。今さら言ってもしょうがない。「たられば」は、勝負の世界には通用しない。しかし、それでも俺は思う。もし「観客」が入っていたら・・・。サッカーは、ホーム&ウェイの差が明確にあらわれるスポーツだ。他のスポーツにも、同じ傾向はあるが、サッカーは、その感が強い。もし、「観客」のサポートがあれば、金メダルの可能性も充分あったチームであった。今さら言ってもしょうがないが、何度も言う。久保のあの号泣を思い返すたびに、目頭が熱くなる。また、余談にそれた。

俺は、日本人で幸せだ。コロナ禍の中、しみじみ思う。皮肉ではなく、本心から。
さぁ、「ワールドカップ」だ。久保のうれし泣きを見たい。見せてくれ、八咫烏