どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

君は、【檸檬】という漢字を書けるか?

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君は、【檸檬】という漢字を書けるか?

まず、ほとんどの人は書けまい。小生も当然書けない。書ける人は、漢字検定の勉強をしている人くらいであろう。しかし、「れもん」と読める。書けないが、読める。
梶井基次郎の名作【檸檬】のせいである。小説か、エッセイかよくわからんが。ずいぶん前に読んだが、たまに読みたくなる不思議な作品だ。今回もなんだか読みたくなって、読んだ。短くていい。面白い。【檸檬】の文字を見て、この漢字は書けないとしみじみ感じた。しかし、いい感じのいい漢字。なんか、レモンのさわやかさが伝わってくる文字である。
日本語には、この読めるが、書けないパターンが多い。【鬱】【悪戯】【翻弄】【挨拶】【嫉妬】などなど。【鬱】は、眺めているだけで、うつ病になりそう。【悪戯】は、なんだか悩ましい、いたずらな気分になる。【翻弄】は、まさしく、文字にほんろうされる感じ。【挨拶】は、簡単にできそうで、できない、あいさつ。【嫉妬】は、書ける人に思わず、しっとしてしまう。
最近は、まず自らの手で文字をかく機会がないので、この傾向と対策は進むだろう。そのうちパソコンがないと、自分の名前も書けなくなったりして。さすがにそれはないが、ちょっと難しい名前の友人なんかは、書けなくなるかもしれん。小生もなんだが、あやしい友人の名前がある気がする。あら、情けなや。

さて、アル中らしい【蘊蓄】を語ると、日本酒の名前にも難しい漢字を使用しているものが多い。

八咫烏(やたがらす)は、サッカー日本代表のトレードマーク。
【無風】(むかで)は、百足のラベルがユーモラス。
【蔵粋】(くらしっく)は、クラシック音楽を流して、発酵。
【獺祭】(だっさい)は、今、日本で一番有名な銘柄。
【三千盛】(みちさかり)は、俺と正秋の愛用酒だった(過去形)。

駄文の終わりは、名文で総括。

私はあの檸檬が好きだ。レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈たけの詰まった紡錘形の恰好かっこうも。梶井基次郎 檸檬

強系檸檬酎輩乾杯!