どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

鴨志田 穣【酔いがさめたら、うちに帰ろう】を、再び読む。

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あっという間に 三 ヵ月 が 過ぎ た。 酒 は いっさい 口 に し て い ない。 三 ヵ月 がんばっ た 自分 を ほめ て あげよ う と、 ひさし ぶり に 寿司 屋 に 入っ た。 もちろん 飲む のは〝 お茶〟 だけ。 腹 が 減る と 飲酒 欲求 が わい て 出 て くる。 次 から 次 へと にぎり を 注文 し て、 お腹 いっぱい に なっ た ところ、 大将 が 「よかっ たら、 これ どうぞ」と、 小鉢 に 入っ た 奈良漬け を 出し て くれ た。   好物 の 一つ だっ た ので、 一気に かじっ た。   すると、 初めて 気がつい た。 奈良漬け とは なんと 酒 の 香り と 味 が する の だろ う か。 少し 怖じ 気づい た ものの、 すべて 平らげ て しまっ た。   頭 と 体 が ぽう と し て くる のが わかる。 抗酒剤 に 反応 し た の だろ う か、 ふと 不安 が 頭 を よぎる。 勘定 を 済ませ、 外 に 出る と、 足 が 自然 に コンビニ に 向かっ て い た。

100%アル中ではなく、50%アル中の時に、読んだ記憶がある。先日、下記のブログを書いた折、なんとなく、読みたくなった。

doncoyasuo.hatenablog.com
で、読むことにした。入院中なので、当然、kindle版、¥660なり。出版物の単行本の価格は、な、なんと¥1。びっくり仰天。1円って、そんな価格設定もあるんだ。1円の単行本を配達するために、宅配便の運転手は、深夜の高速道路を疾走する。ブラックユーモアか、これが令和の現実か。閑話休題
さて、冒頭の引用文、奈良漬けを食べて、再飲酒(スリップ)するシーン。たかが奈良漬けと思われるかもしれんが、これが100%アル中の現実、真実、事実。嗚呼、切ない気分にさせるのよ、あなたは・・・。蛇足だが、アルコール性認症映画【カノン】では、洋菓子に含まれるリキュールのたぐいもNGらしい。本間解体。
「足が自然にコンビニに向かっていた」 そう、アル中は、コンビニに足が自然に向いちゃうのよ、何故か。オイラも【底つき】の時は、午前三時に、ローソンで、ウォッカを買っていた。やれやれ。

鴨志田のアル中遍歴は、凄まじい。食道静脈瘤破裂で、バケツ一杯以上の血を10回吐いている。でも生きていた。結局、腎臓がん(平滑筋肉腫)で、42歳で死ぬが。腎臓がんとは、意外。この本の中では、肝臓の話ばっかりだ。アル中のがんと言えば、肝臓がん、食道がん、すい臓がんあたりが相場ときまっている。まぁ、アルコールは腎臓にも悪いしね。おしっこの色が違うもの、コーラ色あたりが出たらおしまい。
でも、鴨志田の最後は幸せだったろう、別れた妻(西原画伯)と子供たちに囲まれて、この本を読む限りは。しかし、アル中の最後が幸せなんて、有り得ない、アリエールか。晩年は、年老いた母親とふたりで生活していた。何度も救急車を呼んで・・・。それは、俺自身の姿でもある。やれやれ。

蛍 が 一匹。 川辺で光 を点滅 させている。体験 発表で話すことが決まっ た。

がんで余命一年の宣告を受けた後、自らの人生を語るラストシーンは、なんだか、しんみり。戦場カメラマンの凄まじい人生を淡々と語る。ロシアンルーレットは、こめかみに当てる のでは なく、 口 に つっこむ ものと初めて知った。 映画版では、「別れた妻への最後のラブレター」と宣伝していたが、まぁ、遺書のようなものか。オイラの遺書は、どうする。とりあえず、このブログか?

  目 が 覚める と 見なれ た ベッド の 上 だっ た。
「お 帰り なさい、 先生 から 聞い た わ、 あなた。
 これから 一緒 に 生き て ゆき ましょ う ね」  
 ハス の 花 が 咲い た よう な 妻 の 顔 が あっ た。

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