どんこのアル中 日記

名古屋在住の【年金生活者】。方丈記&徒然草。

本を読んで

男の腐った奴 伊集院静

俺は、【伊集院静】が大嫌いである。嫌いな理由は、数多くあるが、いちいち書くのも鬱陶しい。気分が悪くなってくる。故人の尊厳にも関わるので、ここは、秘すれば花。 不思議 な こと だ が、 悲しみ、 もしくは 悲しみ の 記憶 は、 ふい に、 その 当人 …

村上春樹先輩【女のいない男たち】 累計100万部突破

アカデミー賞の影響である。まぁ、あれだけ話題になれば当然か。累計100万部とは、奥歯に物が挟まったような表現だが、本が売れない現代、累計でも100万部突破とは、さすが先輩である。先輩にしてみれば、今更100万部突破と言われても、どうでもいいことだけ…

ドライブ・マイ・カー 鑑賞 そして読み直す

映画【ドライブ・マイ・カー】が、えらく評判になっているので、鑑賞。ついでに春樹先輩の原作も読み直した。脚色とは、こういうことか・・・。原作は2014年に刊行された村上春樹の短編集「女のいない男たち」に収録された1編。50ページにも充たない原作を、…

西村賢太、逝く

芥川賞作家【西村賢太】、逝く。芥川受賞の挨拶で「風俗に行こうと思っていた」と発言した、ナイスガイである。中学卒業後、アルバイトで生計を立てながら小説を執筆。2007年に「暗渠の宿」で野間文芸新人賞、2011年に「苦役列車」で芥川賞。大好きな作家だ…

痴漢 それは、恋に一途な男

NHKの中国語講座をぼんやり見ていた。中国では、「痴漢」は、もともと「恋に一途な男」を表す言葉であった。日本語になって、「変態」を意味する言葉に変化した旨。そのきっかけが、大江健三郎の「性的人間」の影響である旨。本当かな~と思ったが、NHKだし…

和田さん【まちがう人】を読む。

東京の日本橋に本社を置く、ある広告会社に入社した「和田さん」。 入社早々、彼は、ありとあらゆる「まちがい」をしでかすのだが、その「まちがい」は、年月とともに「増加の一途」をたどることになる。【まちがう人】 俺は、この「日本橋に本社を置く、あ…

好きな 文豪っぽい作家の書いた小説10選

はてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」【文豪っぽい】と書いたのは、【文豪】の定義がよくわからないからだ。小生が考えるには、みんなが名前を知っている、もう亡くなった偉い小説家というところか・・・。壱 夏目漱石【三四郎】 司馬遼太郎は、明治…

アル中 妄言三連発!

酔 ふた め に 飲む 酒 だ から、 酔 後 の 行状 が 言語道断 は 申す までも なく、 さめれ ば 鬱々 として 悔恨 の 臍 を かむ こと、 これ は あらゆる 酒飲み の 通弊 で、 思ふ に、 酔 つ 払 つた 悦楽 の 時間 よりも 醒め て 苦痛 の 時間 の 方 が …

本日、【木槿忌】。「字のない葉書」を読んで、泣く。

向田邦子【字のない葉書】抜粋 終戦の年の四月、小学校一年の末の妹が甲府に学童疎開をすることになった。すでに前の年の秋、同じ小学校に通っていた上の妹は疎開をしていたが、下の妹はあまりに幼く不憫だというので、両親が手放さなかったのである。ところ…

【向田 邦子】没後40周年。

飛行機嫌いなのに、皮肉にも台湾の航空事故で死ぬ。飛行機事故で逝くなんて、なかなかできないこと。なんだか、脚本家らしいか。享年51歳。8月22日の命日は、【木槿(むくげ)忌】。 わずか3作の短篇小説「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第83回直木賞…

君は、【檸檬】という漢字を書けるか?

君は、【檸檬】という漢字を書けるか? まず、ほとんどの人は書けまい。小生も当然書けない。書ける人は、漢字検定の勉強をしている人くらいであろう。しかし、「れもん」と読める。書けないが、読める。梶井基次郎の名作【檸檬】のせいである。小説か、エッ…

君のこと、小説に書いていいかな。

ある日、村上春樹先輩から、唐突に電話があった。 「君のこと、小説に書いていいかな」 その昔、早稲田大学第一文学部・第二文学部演劇専攻には、【早稲田演劇学会】というOB組織があった。今は多分ないだろう。なぜなら、早稲田大学第一文学・第二文学部…

酒豪【立原正秋】享年54歳。意外と若い。

立原正秋は、54歳で食道がんで逝く。随分と偉そうな事を書いていたので、もっと年老いていたかと思ったが、意外にと若い。まぁ、アル中は、短命だから妥当なところか。文壇の酒豪番付で横綱をはるくらいだから、大酒呑みだった。雑文集【秘すれば花】の酒の…

下戸が主人公【孤独のグルメ】は、アル中のお気に入り。

俺はグルメ漫画の至宝【孤独のグルメ】の大ファンだ。TV東京のドラマ版も欠かさず見ている。今は、シーズン9をオンエア中だ。なんとも、すごい人気である。グルメ漫画の元祖であり、グルメドラマの元祖である。俺は、世間受けする前から注目していた。単…

絲山秋子【ばかもの】を読む、馬鹿者。

久々に、絲山秋子を読んだ。アルコール依存症に苦しむ若い男「ヒデ」と、片腕を失った年配の女「額子」の再生の物語。100%の恋愛小説だ。アルコール依存症におちいった「ヒデ」の心情が、アル中の俺にとってはきつい。リアリティあふれるというか、リアルそ…

アル中ハイマー【山田風太郎】

【アル中ハイマー】とは、山田風太郎のオリジナル。アル中と認知症を掛けた造語。なかなかのセンスだ。さすが、ベストセラー作家。さて、アル中ハイマーは、毎晩、晩酌にウイスキーをオンザロックでボトル3分の1ほど飲み続けた。いきなりのウィスキーのオン…

鴨志田 穣【酔いがさめたら、うちに帰ろう】を、再び読む。

あっという間に 三 ヵ月 が 過ぎ た。 酒 は いっさい 口 に し て い ない。 三 ヵ月 がんばっ た 自分 を ほめ て あげよ う と、 ひさし ぶり に 寿司 屋 に 入っ た。 もちろん 飲む のは〝 お茶〟 だけ。 腹 が 減る と 飲酒 欲求 が わい て 出 て く…

林真理子【小説8050】を読む。

「8050問題」とは、「80代」の親が「50代」の子どもと同居して経済的支援する状態をなぞらえた中高年ひきこもりを抱える世帯を象徴した言葉。コミュニティ・ソーシャルワーカーとして同現象に触れてきた大阪府豊中市社会福祉協議会の勝部麗子氏が名づけ親。 …

【だらしない夫じゃなくて依存症でした】 我が妻が、読む。

アルコール依存症の夫を、妻の立場から見た漫画。今の我が家と同じ設定。やれやれ。厚生労働省の依存症啓発事業の一環として企画されたいう、ユニークな出自を持つ。お役所の啓発事業なんて、普通はつまらない、ありきたりの作品になるが、この作品は、違う…

青木さやか【母】を読む。

その昔、俺は、青木さやかにインタビューしたことがある。当時、奉職していた某大学のOBだった。某大学が創立50周年を迎えるにあたって、OBのインタビューをHPに掲載しょうという企画があった。俺は、その担当だった。他にも何人かインタビューしたが、世間…

吾妻ひでお【失踪日記2 アル中病棟】を読んで、なんとなく思う事。

アルコール依存症におちいってから、数々のアルコール依存症関連の本を読んだが、これがベストワンである。315頁のかなりの分量だが、一気に読み終えた。まぁ、漫画ということもある。Amazonのレビューの数が、なんと280個。俺はレビューは、あまり熱心に読…

Kindle Unlimited 【2か月 99円セール】

嗚呼、99円につられて、購入してしまった。たいした読み放題の本はないと思いつつ、99円で200万冊かとおもいつつ、購入してしまった。しかし、意外に興味ある本があって、なんだか杞憂に終わった。ライブラリーには、一度に10冊しかダウンロードできないが、…

伊集院 静 【ひとりをたのしむ】を読む

なんとなく、タイトルに惹かれて購読した。最近は、この手のタイトルの本が数多く出版せれている。若者は本を読まなくなり、高齢者しか本を読まないのが要因であろう。伊集院もそれにあやかったか。タイトルから期待した内容とは少し違ったが、俺の思い過ご…

原田 宗典 【メメント・モリ】を読む。

2015年の発売当初から、なんとなく気になっていた。だが、その頃は、本を買って読むという習慣から遠く離れたいた。老眼になったせいもあるが、読み続ける根気が失せていたのだろう。同時期に【つかこうへい正伝】を買っている。これは発売と同時買って、む…